本研究では、リング系の研究としては初めて実スケールを考慮した大域的N体シミュレーションを行った。土星のリングの研究は数多くあるが、実スケール大域的N体シミュレーションは行われていなかった。 シミュレーションと観測の比較により種々の予測を行った。これらは将来の観測で検証される可能性がある。また、今回検討した細いリング、いわゆるリングレット状の構造においても、自己重力ウェイク構造が発生することがシミュレーションで確認された。土星の環においても、カッシーニの間隙などに同様のリングレットが存在しており、それらにも自己重力ウェイク構造が発生していることを示唆しており、今後の研究の発展につながる。
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