大地震の直後には地震計記録上で多くの余震による地震波が重なり合い、地震の検出が困難となるため、地震の震源、発生時刻、規模を記載する地震カタログに多くの欠測が生じる。そのため、大地震直後は地震カタログを用いた余震活動の統計的予測が著しく困難となり、余震活動の見通しを迅速かつ正確に予測することが困難となる。本研究では、稀な事象の発生確率を扱う「極値統計学」を地震計記録に適用することで、地震観測地点における任意の期間内での任意の値以上の揺れが生じる確率を、大地震発生から数時間以内で提供できることを、理論・観測の両面から明らかにした。
|