本研究は,有孔虫化石の炭素・酸素同位体比,ネオジム同位体比,先行研究より得られている底生有孔虫の群集組成を組み合わせることで,オーストラリア西岸を流れるレーヴィン海流の変化を過去約400万年間を通じて明らかにした.ネオジム同位体比を表層海流および表層水塊の復元に応用した例は,本研究が世界初である.その結果,同海域の海洋環境の変化を定量的に復元することができ,汎世界的な気候変動の影響のみならず,地域的な地殻変動の影響も評価することができた.また,従来,氷期の時期にレーヴィン海流が流れていなかったもしくはかなり弱化していたとされていたが,現在と同程度流れていた可能性を定量的に示すことができた,
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