西南日本(近畿,中国,北西九州),中国東部および東北部,日本海の海山から合計約300個の,新生代後期以降に噴出した玄武岩試料を採取し,全岩化学組成分析(主成分,微量成分,同位体比),一部の試料については斑晶化学組成分析および斑晶中のメルト包有物組成分析を行った.各火山において,岩石学的手法を用いてマグマ含水量を推定し,マントル融解条件を推定したところ,ほとんどの火山下のマントルは,中央海嶺下と同程度の温度であったことがわかった.一方,微量元素組成からは,流体の寄与が示唆されることから,多くの背弧火山の起源として,マントル遷移層に停滞する太平洋スラブからの流体の寄与があると考えられる.
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