研究課題
若手研究(B)
部分的に変性したタンパク質を光捕捉することにより、アミロイド集合体を時空間的に制御して作製することに成功した。顕微蛍光分光を用いてその形成過程を調べることにより、タンパク質の集合とアミロイド線維化の二段階で集合体形成が進むことを明らかにした。前半に形成する集合体の構造は、一本の繊維状の構造体が丸まっていることを見出した。アミロイド形成に至る前の中間体のようなタンパク質が集合した場合も、アミロイドのような線維状の構造をとりうることが明らかになった。
光物理化学
アミロイドは、様々な疾患と関係している不溶性のタンパク質凝集体である。確率的に起こるアミロイド核形成を溶液中で時空間制御することは難しく、溶液全体のアンサンブル測定を通してその形成過程が調べられてきた。本研究で示した新しいアミロイド集合体形成手法は、一集合体レベルでの解析を可能にし、アミロイド線維形成メカニズムの解明に大きく貢献できると期待される。