反応性が高い配位サイトを維持した状態で複数の金属を一定間隔で配列させ、それらを制御することはチャレンジングな課題である。本研究では、置換活性な配位サイトをもつキレート錯体ユニットを共有結合によって複数連結する設計指針により、外部の分子が結合可能な配位サイトが内向きに集積したナノ空間をもつ多核金属錯体の合成を達成した。本研究で合成された錯体は、多点での配位結合により分子を内孔に捕捉・集積できる構造的特徴をもつため、単核錯体では実現できない選択的な触媒反応への展開が可能である。また、その環状骨格を生かした特異的な分子認識ホストや化学センサーへの応用が期待される。
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