研究課題
若手研究(B)
光異性化分子であるスピロピランを用いたフォトクロミックイオン液体群を開拓した。カチオン性置換基を有するスピロピラン塩を複数設計し、得られた室温イオン液体の熱物性と光応答性を評価した。高融点の塩について、置換基とアニオンサイズを変化させ一連の誘導体を合成し、固相異性化と結晶内空間の相関を明らかにした。オニウム系イオン液体との混合により得られた液体について、液体物性とフォトクロミック特性を明らかにした。
機能物性化学
フォトクロミック分子骨格を有するイオン液体はこれまで内外で盛んに研究されてきたが、静電相互作用変化を伴った光異性化を示す本系は原理が大きく異なる。したがって、光による多彩な液体物性の変化が期待される。このような液体は、多彩な物性研究の新対象となるだけでなく、機能溶媒用途といった応用展開にもつながる。