本研究は,機械装置の知能化を目指し,「自己組織化をいかにして取り込むか」ではなく「自己組織化をいかにデザインするか」にまで焦点を当てるところに意義がある.これにより,自由自在・狙い通りの自己組織化現象をデザインすることが可能になれば,複雑な機構を持つ工作機械・自動車・航空機といった様々な機械への応用が期待でき,本研究の及ぼす工学への影響は大きい.また,これまでに,マルチモード制振には多重動吸振器が有効とされてきたが,受動機構の運動形態の変化に着目した制御手法は存在しない.さらに,外部環境の変化に対して適切な運動形態を選択することで,省エネルギー・高効率なシステムになることが期待できる.
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