研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は2次元有機/無機材料界面の制御による二硫化モリブデン(MoS2)電界効果トランジスタ(FET)の閾値電圧(Vth)調整と正のVth動作を実証する事である。ゲート電極に白金(Pt)金属を用い、酸化アルミニウム(AlOx)表面への自己組織化有機単分子膜(SAM)形成によって界面トラップを抑制し正のVth(0.15V)を実証した。Ptゲート電極はアルミニウム(Al)ゲート電極と比較して正の方向へ約1VのVthシフトを示し、PtとAlの仕事関数差を反映している。
半導体ナノデバイス
2次元半導体材料の二硫化モリブデン(MoS2)は移動度が高く、未結合手が無いため化学的、電気的に安定な材料である事から次世代低消費電力エレクトロニクスに向けたFETのチャネル材料として期待されている。本研究によって素子特性で最も重要な閾値電圧制御をMoS2 FETで確立し、正の閾値電圧を実証できた事は次世代低消費電力エレクトロニクスに向けた大きな一歩となり2次元半導体材料の可能性を示す事ができた考えている。