ADS-Bは航空機が自らの位置などの情報を無線信号で放送するシステムである.本研究は,ADS-B信号を測定し,無線信号が空中を伝搬する現象(電波伝搬)の面から分析を試みるものである.分析結果は地上における受信局配置の設計などに活用できる.まず,ADS-B信号を用いるというアプローチはこれまでにないものであったため,その有効性を評価し,誤差要因への対策技術を開発した.その後,在空機の測定と分析を行い,受信電力分布の統計モデルを獲得した.また,山岳地帯における電磁界数値シミュレーションと測定の比較も行い,シミュレーション手法の評価結果や地形の影響に関する考察が得られた.
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