ナノスケール・センサノードではその小ささから雑音の影響を強く受け,通信感度が低下するという本質的な課題がある.そこで本研究では,生物システム等でみられる確率共鳴現象という非線形物理現象を用いて課題解決に取り組んだ.2017年度では,アンテナ出力電流の非線形特性を生かすと現象が起こり,微弱な出力電流を簡易に増幅でき感度が改善される点を見出した.次年度ではセンサノードでの電波受信メカニズムに非線形性が存在するか否かを理論的に検討した.通信周波数と振動の共振周波数を少しずらすことで分岐現象が発生し,非線形振動が発生することを見出した.このような非線形性を活用することで本現象を活用できる可能性は高い.
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