研究課題/領域番号 |
17K14710
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
Attachai Anuwat 高知工科大学, システム工学群, 客員研究員 (40770938)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自己充填コンクリート / 空気泡 / 微細空気泡 / 分離低減剤 |
研究実績の概要 |
安定した自己充填性を不要可能な気泡潤滑型自己充填コンクリートの実用的な材料・配合の検討を進めた結果,水セメント比が45%と比較的高い場合においては,粗骨材との剥離を防止するためにモルタルに高い粘着力を付与することが有効であることが明らかになった。これを有効にする高粘着力型分離低減剤は粘性の大幅な増加はもたらさず,粘性とは独立に粘着力を高めるものではあるが,ある程度の粘性を高めるものではあることを確認した。本研究では,この分離低減剤の使用が,水セメント比の比較的高い気泡潤滑型自己充填コンクリートの標準仕様となるものと想定した。 当該年度は,この分離低減剤を添加した場合の微細気泡連行法を確立した。若干ではあるが高い粘性への対策として,消泡剤を添加した。しかしながら,消泡剤を添加して練り混ぜると,細かい空気泡の連行が困難となった。空気連行剤(界面活性剤)の効果を打ち消すものであることが分かった。 そこで,分離低減剤を添加した場合であっても,消泡剤を添加することなく,専ら練り混ぜ手順の調整により気泡を連行することとした。空気連行剤の添加量に相当する練り混ぜ時間を決定することにより,練上がりからの時間経過による空気量減少の小さい空気連行法を確立することが出来た。空気量減少が見られなければ,気泡径が十分に小さいと見なすことが可能である。 この方法により気泡潤滑型自己充填コンクリートを練り混ぜ,模擬型枠内に打ち込み,硬化後にその表面の気泡の状態を観察した。しかしながら,表面には気泡が残る結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自己充填性向上を目的とした粗骨材との剥離防止のため,モルタル相に粘着剤を添加することの有効性を確認した。以後,セメント量を低減した気泡潤滑型自己充填コンクリートにおいては粘着力を高める分離低減剤を添加することに方針転換を図った。そのため,本研究で対象とするコンクリートの基本配合決定に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
硬化後の表面状態の改良を最優先とし,そのための空気量と気泡およびモルタル相の粘着力の調整の観点から研究を推進していくことに方針を修正した。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の前提となる気泡潤滑型自己充填コンクリート自体の基本配合に変更が生じ,研究対象である気泡に関する調査が若干遅れたため。
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