本研究では,構造実験に用いる1/3縮尺の耐震壁試験体に直接埋設可能な直径10mm×60mmの超小型円筒形センサの開発に成功した。センサの挙動を把握するパイロット試験(角柱圧縮試験および梁せん断破壊試験)では実験時に生じる応力伝達傾向を良好に捉える結果を示した。また有開口耐震壁に対する構造実験では,開口周辺を中心に各部位の応力負担状況について微小地震を想定した少変形領域から大地震に相当する大変形領域まで明確に把握することができた。 さらに上記検討の副次的な成果として有開口耐震壁の復元力特性モデル化手法の提案ならびに最大耐力時以降の実験状況との対応を重視したFEMモデル化手法の提案に至った。
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