研究課題
若手研究(B)
本研究ではガラスの濡れ性を制御する方法として、ガラス構造内に欠陥を導入することを試みた。シリカを主成分とする異なる化学組成のガラスをターゲットに用いて、高周波マグネトロンスパッタ法により、ガラス薄膜を作製した。分光分析から、ターゲットガラスの化学組成によらず、ガラス薄膜のシリカ構造中に酸素欠陥が形成すること、表面水酸基が増大することを明らかにした。また、ターゲットに用いたガラスと比較して、ガラス薄膜は親水性が向上したことから、酸素欠陥が濡れ性に影響を及ぼすことを見出した。
固体材料化学
材料の濡れ性を制御することができれば、防汚特性の発現など様々な面で応用展開が可能となる。これまでは化学組成や表面構造を変えることにより、ガラスの濡れ性制御が試みられてきた。ガラスの高い透光性を維持したまま、超親水化を発現する機能性表面として、ガラス薄膜中に酸素欠陥を導入する材料設計を新たに提案するに至った。