低濃度塩水を石油貯留層に圧入して油回収率を増加させる手法において、圧入塩水の塩分濃度及びイオン成分が貯留層特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、岩石コアを用いた掃攻試験や貯留層特性の評価実験を実施した。低塩分濃度水(NaCl塩水、CaCl2塩水、MgCl2塩水)を砂岩もしくは炭酸塩岩コアに圧入することで3~8%程度の増油効果を確認した。相対浸透率及び接触角測定から、圧入塩水の塩分濃度の低下に伴い、貯留岩表面における水濡れ性の増加傾向、及び残留油飽和率の低下が観測され、塩分成分・濡れ性・増油効果の相関関係が示された。
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