異種間交配により誕生したオス個体は生殖能力がないことが多い。この生殖隔離は、種を保全するための強力なバリアーである。最近、マウス二亜種を利用した遺伝学的な研究で、生殖隔離を制御する染色体領域が明らかとなったが、原因遺伝子は完全には特定されていない。そこで本研究では、その遺伝子の発見を目指した。 X染色体上にある生殖隔離制御領域中には37個の遺伝子が存在する。それらからマウス二亜種間で多型があり、かつ精巣で発現している遺伝子が16個あることを見出した。それらを単一で欠損させたマウスでは稔性が認められたが、いくつかを複数同時に欠損させたマウスにおいて致死や不稔等の異常表型が観察された。
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