イネ登熟期における籾への急激な転流増加に対応する未知の脱水機構について、籾の外表面に分布する小毛から排水が行われている可能性を検証した。登熟期間中のイネ籾表面 (外頴中央部) を光学顕微鏡で観察し、小毛の形態や分布を調査した。小毛は開花から15日目頃までは視野中の95%が萎凋していない状態であったが、20日目以降は99%以上が萎凋していた。小毛が萎凋しておらず、穂からの蒸散が盛んであった期間において、籾を油に沈めて水分蒸発を抑えて経時観察したところ、小毛の位置上に水滴が発生し、イネ籾における排水が初めて可視化された。
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