根でのミネラル吸収活性の調節は、作物栽培に適さない不良環境下での植物の応答の一つである。この応答のメカニズムに関わる分子の同定を目指し、本研究ではミネラル吸収の変化を詳細に解析した。マグネシウム欠乏処理によりマグネシウムの吸収速度が最大になった時点で、既知のマグネシウム輸送体の遺伝子発現に変化はなく、未知の分子の関与が示唆された。30 mMの塩化ナトリウムの添加により、成熟組織でのナトリウム吸収速度が一時的に上昇するものの数分後には速やかに抑制されることが分かった。塩ストレスへの初期応答として、ナトリウム吸収機構が遺伝子発現によらず調節されていることが示された。
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