近年、酸化ステロールによりストレス応答性の転写因子ATF4の発現が亢進することが報告された。しかし、その詳細なメカニズムは不明であった。本研究成果により、酸化ステロールによるATF4発現亢進には、Insigの発現が重要でありATF4の下流遺伝子特にアポトーシス関連遺伝子の発現にも影響を及ぼすことが明らかになった。さらに、その応答変化が細胞生存率に影響することが示唆された。また、ヒト肝がん由来細胞を用いた解析においても同様の応答変化を示しており、細胞腫によらない応答であることが示された。これらの研究成果は、酸化ステロール-Insigによる細胞内応答機構に新たな知見を加えるものである。
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