本研究では山地流域における風化基岩層の水源涵養機能を解明するため、基岩の水文特性を計測し、さらに実際の降雨浸透を観測し検討を行った。第一に、風化花崗岩のボーリングコアに加工を施すことで蒸発法を適用し、不飽和水文特性(保水性・透水性)を計測できることを示した。第二に、新たに蒸発法とワンステップ流出法との組み合わせ手法を開発し、計測の効率化に成功した。第三に、風化基岩露頭における野外水文観測から、浅部の強風化基岩層では亀裂を伝った素早い水流が存在するものの深部までは到達せず、土壌と同様のリチャーズ式に基づくシミュレーションで基岩中の降雨浸透過程を再現できることが示された。
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