本研究では,外生菌根菌ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)の順遺伝学的および逆遺伝学的手法を開発し,分子遺伝学的な研究基盤を構築することを目的とした。最初に,非相同性組換えに関与するKU80遺伝子の破壊株を作出した。次に,このKU80遺伝子破壊株を親株として用いることで,3種のMAPキナーゼ(KSS1,MPK1,HOG1)およびオートファジー関連遺伝子ATG8の破壊株作出に成功した。KU80遺伝子破壊株を親株として使用した場合の相同性組換え効率は約92%であり,野生株を親株として利用する場合と比較して飛躍的な上昇が認められた。
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