本研究は北海道での患者数増加が懸念されるコリノソーマ症について、海域や季節性を考慮したリスク評価に結びつけることを目的に、感染源となる魚種を特定した。調査の結果、特に終宿主の鰭脚類が周年見られる海域において、 Corynosoma strumosumおよびC. villosumが普通種として沿岸魚類に幅広く寄生している実態が明らかとなった。これらの比較的高い寄生レベルを鑑みると、今後多様化するであろう未利用魚の生食には感染リスクが伴う。その周知実践として現地漁業者に向けたセミナーを開き、成果の還元および普及活動に取り組んだ。
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