研究課題
平成29年度は、生殖細胞を欠損させるために始原生殖細胞形成初期から発現するPrdm14をターゲットとして決定した。guide RNAを複数設計し受精卵前核へ注入後、移植し産仔を解析すると、ホモで欠損している個体を確認でき、精巣を16週齢で摘出すると、同齢の野生型と比較し明らかにサイズが小さくなり、また精巣内および精巣上体尾部中に精子は無く、生殖細胞が完全に欠損していることが確認できた。また、Prdm14遺伝子のヘテロ欠損個体において、野生型と比較して顕著に精巣のサイズが小さくなっており、ヘテロ欠損であっても、キメラにおける目的細胞の寄与効率が上昇することが期待される結果であった。さらに、より高効率な生殖細胞欠損個体作出のため、Prdm14 guide RNAを複数設計し、各々のゲノム編集効率を調査した。
2: おおむね順調に進展している
当該年度は職場の異動に伴い、実験環境のセットアップに時間を費やしたため、胚移植を伴う実験には若干の遅れが生じたが、ES細胞を樹立する細胞培養実験を前倒しで行い、当初の予定に近い段階まで進めることが出来たため。
現在のところほぼ当初の計画通りに遂行されており、30年度は予定通りキメラ個体作製実験を中心に行う。ここまでのマウス実験を主にしたデータで論文としてまとめる予定である。
研究代表者の異動に伴い研究室のセットアップに時間を要し胚移植に関わる実験に若干の遅れが生じたため。マウス飼育環境も整ったため、30年度は胚移植試験を重点的に行う。
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