次世代に目的の遺伝子を残す技術は有用であり、医療、家畜生産や、絶滅危惧種の維持の側面からも重要である。目的の子孫を残す方法として、キメラ技術がある。そこで、本研究では直接受精卵で生殖細胞欠損胚を作出することで、通常キメラと比較し、目的細胞の生殖細胞への寄与率改善を目指した。Prdm14をターゲットとして4種類のgRNAを使用し受精卵に注入することで、約6割の胚で効率的に欠損出来ることが示された。実際にキメラ個体を作出したが、通常胚とのキメラと比較し生殖細胞への寄与率に大幅な改善はみられなかった。加えて、本研究でアガロースカプセルを用いた胚培養技術を開発し、凍結保存等に有用であることが示された。
|