ネコ伝染性腹膜炎(FIP)の原因ウイルスであるFIPウイルス(FIPV)にはI型とII型の2つの血清型が存在する。I型FIPVの吸着時に利用するウイルス受容体はII型FIPVとは異なることが証明されているが、その分子は未だ同定されていない。そこで申請者はプルダウン法を応用してI型FIPVのウイルス受容体の同定を試みた。ウイルス受容体と相互作用させるベイトとしてI型FIPV Sタンパク質のS1領域をFcタグと融合させた組換えタンパク質を作製した。しかし、この組換えタンパク質は感受性細胞であるfcwf-4細胞と相互作用が認められず、ウイルス受容体の同定には至らなかった。
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