昆虫のアラタ体への糖供給が停止すると昆虫は致死に至る.しかし,その糖供給経路は不明である.この経路の解明には,アラタ体の細胞膜を隔てた内外の糖分子を明らかにする必要があった.主要な血糖であるトレハロースは,分解酵素TREH2によりグルコースに分解され,細胞内に輸送されると考えられてきたが,TREH2の膜内外の方向は明らかにされていない.抗TREH2抗体を用いた免疫組織化学的手法により,TREH2のトポロジーは細胞膜内側であることが示された.本組織において,トレハロース輸送を担う新規トランスポーターTRET2遺伝子を同定した.これは体液中のトレハロースを直接取り込んでいる可能性を示唆する.
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