らせん高分子に関する研究の発展は目覚ましいが、高分子の性質上、高分子同士が重なり合い、接触効率を低下させることや、耐久性が低いことが欠点となっている。一方、この研究ではグラフト型高分子を利用し、らせん高分子の欠点を大幅に改善することができる。さらには、フロー反応による医薬品製造の自動化の研究が進む中、らせん高分子を含む高分子固定化触媒は次世代医薬品製造プロセスの幹となることが期待できる。また、酵素の様に特定の反応のために精密に設計された高分子触媒の開発など、幅広い機能を持つ触媒や反応場の研究において、まったく新しい展開への道を開くことになる。
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