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2020 年度 実施状況報告書

トキシコキネティクスに着目した第3世代アゾール系抗真菌薬の投与設計法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K15502
研究機関浜松医科大学

研究代表者

山田 尚広  浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (20793540)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードボリコナゾール / 皮膚障害 / Nオキシド体 / 熱分解物 / 光産生物
研究実績の概要

本研究は平成30年度以降はボリコナゾールについては患者を対象とした皮膚障害の評価とNオキシド体濃度との関係性について解析、その結果から皮膚障害中毒域の探索を行うこととしていた。一方で、ボリコナゾールによる皮膚障害の評価は、機序的にも紫外線下で発現しうるものと考えられ、入院患者を対象とする本試験では評価が困難であることが考えられた。よって、前年度よりボリコナゾールの皮膚障害については発現機序の解明に特化したin vitroの研究も加えて評価していくこととしている。
令和2年度では、ケラチノサイトを用いたin vitroの実験を進めると共に、LC-MS/MSによるボリコナゾール及び代謝物、その関連物質の同時測定法の確立を進めていた。
in vitroの実験では、Nオキシド体から得られる光分解物に熱を加えることにより得られる分解物(熱分解物)が、ボリコナゾールのヒドロキシル体であることが分かったため、その標品を合成し、ケラチノサイトへの忍容性試験を実施した。これにより、ケラチノサイトのヒドロキシル体濃度の適用限界は30μg/mLまでであることを確認した。
また、LC-MS/MSによる測定については、ボリコナゾール、Nオキシド体、ヒドロキシ体を同時測定できる系の確立を進め、あとはバリデーションを行うのみである。
ポサコナゾールについては令和2年4月になり上市されたが、自施設の抗真菌薬のフォーミュラリーとして、正規の採用薬とはしない方針となった。患者への使用については、1年に1から2例となる見込みとなるため、必要症例数を集めることは困難であると判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ボリコナゾールについては、前年度から新たに評価の対象となった熱分解物であるヒドロキシル体のin vitro及びLC-MS/MSによる測定系の実験を進めているが、in vitroの試験に関しては、都心の外部委託業者の協力により進めていく関係で、コロナ禍の影響により予定が遅延してしまった。
ポサコナゾールについては概要にも示した通り、自施設での使用例数が極端に少なることが明らかとなったため、評価は断念することとなった。

今後の研究の推進方策

ボリコナゾールによる皮膚障害の評価は、令和2年度の方針に引き続き、in vitroの研
究を加えて進める。ケラチノサイト細胞を用いて、ボリコナゾールとその関連物質を曝露させ、UV照射時の細胞への影響度について評価を行う予定である。ま
た、それらの曝露量を定量的に評価するためにも高感度の測定法について確立していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

in vitroの試験について、外部委託業者協力のもと実施する予定であったが、コロナ禍の影響により試験の予定が遅延した。よって、実施予定だった試験分の費用を繰り越すこととなった。
繰り越した費用は本年度予定していたin vitro試験に充当することで使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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