熱ショック蛋白質72(Hsp72)は新生蛋白質の折り畳みや変性蛋白質の立体構造の維持に関わる分子シャペロンである。多くの癌では、Hsp72は癌遺伝子の安定化やストレス耐性を増強する。 そこで我々は、Hsp72のクライアントタンパク質が薬剤耐性に重要な役割を果たしているのではないかと仮説を立てた。 ヒト乳がん細胞株MDA-MB-231および5-FU耐性株MDA-MB-231/5-FUを用いた。抗Hsp72抗体を用いて、Hsp72結合蛋白質を精製し、LC/MS/MSにより同定した。同定した蛋白質は、複数の5-FU耐性TNBC株の感受性に関わる分子であり、薬剤の標的となりうる可能性がある。
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