申請者が本研究に取り組んでいた期間に所属していた研究室では、2006年にWnt5aを均一タンパク質として精製することに成功して以来、一貫して精製Wn5aの生化学的性質と細胞応答を解析してきた。また、Wnt5aの高発現は、ある種のがんの転移と関連すること、さらに腸管の慢性炎症を増悪化させることを明らかにしてきた。本研究では、これまでの知見に基づき、これまでには知られていなかったWnt5aを高発現するがん関連線維芽細胞の一集団が、Wnt5aによる炎症を背景とした大腸がんの腫瘍形成を亢進させることを示した点で、学術的な意義があると考える。
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