研究成果の概要 |
正常ヒト幽門腺は、コア蛋白のMUC6の側鎖にα1,4-linked N-acetylglucosamine(αGlcNAc)による糖鎖修飾を伴う腺粘液を産生する。本研究では、胃、膵、子宮頸部の腫瘍性病変におけるαGlcNAc発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、がん病変だけでなく、前がん病変である、幽門腺型腺腫、膵管内上皮新生物(PanIN), 膵管内乳頭状粘液性腫瘍(IPMN), 分葉状頸管腺過形成(LEGH)でも、異型度の増加と共にαGlcNAcの発現が減弱していた。これは、腫瘍発生の早期からαGlcNAcによる糖鎖修飾が減弱することを示しており、早期がん診断の一助になると考えられる。
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