大腸癌のメインルートは腺腫から発生すると考えられたが、平坦型や陥凹型大腸癌が発見されるようになり、そうした病変から大腸癌が発生することが認識されてきた。陥凹型大腸癌は発見が困難だが、悪性度が高いと考えられている。しかし検体数が少なく、分子生物学的特徴は明らかではない。陥凹型癌は悪性度の高い臨床病理学的特徴を示し、腺腫成分が少なかった。陥凹型T1癌19検体に対し、exome sequenceを施行し、隆起型と比較したところ、KRAS変異率は5%と隆起型50%に比べて少なかった。一方で、13番染色体の増幅は陥凹型で多く見られた。遺伝子発現は上皮間葉転換や血管新生関連の遺伝子発現が優位に高かった。
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