マダニ媒介性感染症は世界中に存在し、多くの健康被害を引き起こしている。しかしながら、マダニを自然環境から完全に除去することは不可能であるため、その制御は非常に困難であるのが現状である。他方、これら感染症病原体は、マダニ体内で維持され、宿主に伝播されることで初めて感染が成立する。マダニには病原体を含む異物を認識し排除する自然免疫が備わっているにも関わらず、なぜ病原体がマダニ体内で維持されるかは不明な点が多い。本研究で得られた情報は、マダニにおける病原体の維持機構の一端を明らかにするもので、マダニ媒介性感染症の新しい予防法開発のための基礎的情報となることが期待される。
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