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2018 年度 実施状況報告書

マクロファージの獲得免疫制御におけるケモカイン受容体会合分子FROUNTの役割

研究課題

研究課題/領域番号 17K15716
研究機関東京理科大学

研究代表者

遠田 悦子  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (00589327)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードケモカイン受容体 / ケモカイン / FROUNT / 適応免疫応答
研究実績の概要

ケモカイン受容体細胞内会合分子FROUNT(フロント)は、マクロファージの遊走・集積に促進的に働く。炎症性疾患においては、マクロファージの活性化状態は適応免疫応答にも影響を与える。本研究では、マクロファージによる適応免疫応答制御におけるFROUNTの役割の解明を目的とする。本年度は、昨年度までに誘導条件をセットアップしたFROUNT欠損マクロファージを用いて、各種刺激に対する応答性を解析した。刺激後のマクロファージの応答性の解析を容易にするために、温度応答性細胞培養プレートを用いた。骨髄細胞より分化誘導したコントロールおよびFROUNT欠損マクロファージにLPS刺激を行い、刺激後のマクロファージを回収してフローサイトメトリーにより細胞表面活性化マーカーの解析を行った結果、刺激後にCD80、CD86、MHC class IIなどの活性化マーカーの発現増強が認められ、これについてフロント欠損マクロファージでは刺激後の発現増強の減弱が認められた。また、通常の培養プレート内で刺激を行った際にはマクロファージの接着能亢進が認められたが、これがFROUNT欠損により減弱することを示唆する結果を得た。T細胞とマクロファージの共培養系において、サイトカイン・抗サイトカイン抗体添加による各ヘルパーT細胞サブセット誘導条件で共存するマクロファージにおけるFROUNT欠損の影響を解析した結果、FROUNT欠損による各ヘルパーT細胞サブセット誘導効率の違いは認められなかった。今後はIn vivoの病態モデルで認められているT細胞サブセットの変化について、さらなる検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マクロファージの刺激応答性に対するFROUNT欠損による影響、およびT細胞との共培養系におけるFROUNT欠損の影響についても順調に解析を進めた。新たに示唆された刺激応答性の変化について検証を進める予定である。

今後の研究の推進方策

30年度に明らかにしたFROUNT欠損によるマクロファージの刺激応答性の変化について、機序を明らかにするための解析を進める。In vivoの病態モデルで認められているT細胞サブセットの変化との相違について、今後さらなる検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

解析が順調に進展したため未使用額が生じた。未使用額は30年度の刺激応答性変化における機序の解析の拡充に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] ケモカイン受容体シグナル促進分子FROUNT(フロント)の関節リウマチ病態への関与2019

    • 著者名/発表者名
      遠田悦子、寺島裕也、松島綱治
    • 学会等名
      第18回分子予防環境医学研究会大会
  • [学会発表] A molecular approach to block interaction between chemokine receptor and cytosolic regulator FROUNT for the control of monocyte/macrophage migration2019

    • 著者名/発表者名
      Etsuko Toda, Yuya Terashima, Kaori Esaki, Sosuke Yoshinaga, Hiroaki Terasawa and Kouji Matsushima
    • 学会等名
      KeystoneSymposia
    • 国際学会
  • [学会発表] Blocking tumor-promoting macrophages by interrupting the interaction of chemokine receptors and a cytoplasmic regulatory protein FROUNT2018

    • 著者名/発表者名
      Etsuko Toda, Yuya Terashima, Koji Matsushima
    • 学会等名
      第45回内藤カンファレンス
    • 国際学会
  • [学会発表] A chemokine signal amplifier FROUNT promotes tumor progression by facilitating migration and activation of tumor-associated macrophages2018

    • 著者名/発表者名
      Etsuko Toda、Koji Matsushima
    • 学会等名
      第47回日本免疫学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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