研究課題
若手研究(B)
本研究により、RNA結合タンパク質Mex-3Bが、好中球の遊走に関わるCXCL2タンパク質の発現量を転写後調節機構によって制御することによって、ステロイド耐性の気管支喘息の発症を制御していることが明らかになった。また、CXCL2抗体の投与やMex-3Bに対するアンチセンス核酸の吸入により、ステロイド耐性気管支喘息のモデルマウスで観察される肺への好中球の蓄積が顕著に抑制されることが明らかになった。
分子生物学
重症喘息とは、既存薬が効きにくい重篤な喘息のことである。重症喘息の患者数は喘息患者全体の10%程度にも関わらず、喘息で亡くなる患者の30-50%をも占める。重症喘息の病態は人によって大きく異なっているため、その発症メカニズムには未だ不明な点が多い。本研究により、CXCL2やMex-3Bの阻害によって、重症喘息の症状が緩和されることが明らかになった。本研究成果により、重症喘息に対する創薬研究の新たな展開が期待される。