小児急性リンパ性白血病の治療薬として繁用されるL-アスパラギナーゼ(L-ASP)は、高頻度に薬物アレルギー反応を生じることが克服すべき課題となっている。本研究では、L-ASPアレルギーのモデル動物を作製し、その血清と培養細胞を用いてL-ASPアレルギーの評価系の構築に成功した。この実験系は、L-ASPに対するアレルギー反応の程度を非侵襲的に評価できるだけでなく、抗IgE抗体が有効なアレルギーであるか否かを判定し、抗IgE抗体の投与量を個別化できる評価系となることが示された。本研究の成果を用いてL-ASPアレルギーを克服することにより、急性リンパ性白血病治療の完遂と生存率の向上が期待できる。
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