本研究の学術的な特色は、非侵襲的PETを用いて、従来観測困難であった主観的な“痛み”に客観的な評価指標を与え、さらに、新規に開発された[18F]F-DPA PET をイメージングバイオマーカーとして活用することで、神経因性疼痛治療法の有効性を明らかにすることにある。生体動物での病態評価指標としての[18F]F-DPA PETには課題が残る事が示唆されたが、本研究により小動物での脊髄炎症PETイメージングにおける生物学的、物理学的な問題が明らかとなり、神経因性疼痛診断・治療法開発および背景メカニズム解明における具体的な課題が提示できたことから、今後の研究に与える意義は極めて大きいと考えられる。
|