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2017 年度 実施状況報告書

患者個人生涯医療被ばく線量計算システムの基盤開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K15801
研究機関京都大学

研究代表者

石原 佳知  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (60709351)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード医学物理 / 医療被ばく / モンテカルロ法 / 線量計算
研究実績の概要

平成29年度は当初の計画書に則り、「放射線画像検査における被ばく線量計算システムの開発」、「血管造影、画像下治療における被ばく線量計算システムの開発」を実施した。
システム開発においては放射線輸送分野で精度及び有用性が確立されている、汎用モンテカルロコードEGSnrcを用いた。モンテカルロ法は現存する放射線シミュレーションアルゴリズムの中において最も正確であるが、計算時間が長いという欠点が存在する。本研究において線量計算は精度維持のため近似技術を一切使用せず、スーパーコンピュータと並列計算処理のみを用いて計算精度を担保しつつ高速化を達成した。
X線照射装置は多岐にわたり、数100種類以上ある機種ごとにX線管球モデルを構築するのは現実的ではない。そのため、X線源データは照射装置の固有ろ過、管電圧より精度の確立された理論式を用いて算出可能なスペクトル情報を用いて対応した。これにより、他施設においても少ない情報で正確なX線源情報が取得可能となった。
次に、照射範囲に関してはDICOM画像より取得を行い、患者データは検査直近のCTデータを用いることにより線量計算を行うシステムを開発した。患者体内構造を大きく変形させ複雑な体位を必要とするマンモグラフィーなどの一部の一般撮影検査においては対応不可であるが、大半の一般撮影検査、CT検査、血管造影検査においては本手法により線量計算が可能となった。複数台の一般X線撮影装置、CT撮影装置、血管造影装置において構築したモデルと実測との精度検証をファントムで行い、その後、臨床症例を用いてシステムとしての有用性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した平成29年度の研究項目である、「放射線画像検査における被ばく線量計算システムの開発」、「血管造影、画像下治療における被ばく線量計算システムの開発」を達成し、学会報告等実施した。

今後の研究の推進方策

申請書に記載した平成30年度の研究開発項目である「核医学検査における被ばく線量計算システムの開発」を実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Quantification of the kV X-ray imaging dose during real-time tumor tracking and from three- and four-dimensional cone-beam computed tomography in lung cancer patients using a Monte Carlo simulation2018

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Mitsuhiro、Ishihara Yoshitomo、Matsuo Yukinori、Iizuka Yusuke、Ueki Nami、Iramina Hiraku、Hirashima Hideaki、Mizowaki Takashi
    • 雑誌名

      Journal of Radiation Research

      巻: 59 ページ: 173~181

    • DOI

      https://doi.org/10.1093/jrr/rrx098

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2018-12-17  

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