QSMから得られる磁化率値と温度の関係を明らかにし,その仕組みを明らかにした報告はこれまでになく,学術的意義は高い.同時に磁化率値と同様に脳や肝臓の鉄沈着を評価できるR2スター値と磁化率値の温度による変化量を検討し,QSMはより温度に対して感度が低いことを明らかにした.従来から生体内の鉄沈着のバイオマーカーとして使用されてきR2スター値よりも温度依存性が低いQSMのほうがより正確に鉄沈着の評価できることが示唆された.本研究の結果は異常な鉄代謝を生じる疾患に対する正確な評価を行うためにR2スターではなくQSMを利用することの根拠となり得る.
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