法医学領域において、解剖時の椎骨動脈の検索は、死因決定において重要であるにも関わらず、その手技的煩雑さからルーチンで行われているとは言い難い。近年、法医学領域において、非侵襲的検査である死後血管造影CT注目を浴びつつあり、椎骨動脈のような剖出が困難である部に対してその適応が期待されている。そこで本研究では、死後造影における、頭頸部動脈造影法を確立し、同方法によって解剖時に椎骨動脈を非侵襲的に評価することを目的とした。同所見を、血管内視鏡所見や、病理組織所見と比較・検討することによって、頭部外傷時における椎骨動脈損傷の発生率等を調査することは、臨床側へも有用な情報を提供できると考えられる。
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