歯牙象牙質内に存在するアミノ酸の一種であるアスパラギン酸(Asp)が加齢とともにL型から鏡面対称の構造を示すD型に変化するラセミ化反応を応用した生化学的な年齢推定の手法は煩雑で再現性に問題があり、改善が求められている。そこでAsp抽出手技として固相抽出カートリッジに着目し、L型・D型-Aspをそれぞれ検出することができた。その後ラセミ化反応の分析機器や方法を変更せざるを得ず、現時点ではカートリッジをAspのラセミ化反応による年齢推定へ応用するには至らなかった。しかし従来の手技と比較しカートリッジは簡便に歯からAspを抽出する新たな手技であり、この成果を法医学の国際学会にて発表した。
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