肝細胞癌切除検体において、癌部では非癌部に比しCTGFが高発現しており、CTGFの発現量は肝細胞癌の悪性度に関連していた。 Kras変異肝発癌モデルマウスにおいても癌部でCTGFの発現上昇を認め、同マウスにおいてCTGFを欠損させると肝癌の増大進展が抑制された。 さらに細胞株を用いた検討において、CTGFは肝癌間質に存在する肝星細胞と肝癌細胞の腫瘍間質反応に関与して肝癌に促進的に作用していることが明らかとなった。CTGFを介した腫瘍間質反応はCTGFに対する中和抗体により阻害可能であり、CTGF中和抗体が肝癌に対する新規薬剤に成り得ることが示唆された。
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