既存の胃潰瘍・十二指腸潰瘍治療薬であるランソプラゾールを肝がん細胞株HepG2およびHep3Bに処理すると、VEGF-B発現量が減少することを見出した。また、VEGF-Bの類似機能を持つ複数の脂肪酸トランスポーターの発現量も減少していた。HepG2およびHep3B細胞株を用いて脂肪蓄積に対するランソプラゾールの効果を検証したところ、脂肪酸の取り込みには変化がみられず、一方でLDLコレステロールの取り込みが増加していた。実際にランソプラゾールによってコレステロール代謝を制御する転写因子LXRが活性化されており、LXR下流遺伝子群の発現量が増加していることを見出した。
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