研究課題
若手研究(B)
潰瘍性大腸炎患者の再燃リスクや5-ASA製剤不耐症の発症に腸内細菌が関わっていることが示唆され、皮膚炎が腸管内のラクトバチルス属細菌を介して腸炎悪化に寄与することも明らかにした。さらに、糞便微生物移植が抑うつ症状の改善につながる可能性があることを明らかにした。本研究を通じて、5-ASA製剤不耐症や精神疾患、皮膚炎が糞便微生物移植法の新たな対象疾患となり得ることが明らかになるとともに、腸内細菌を介した新たな臓器相関の存在も示すことができた。
炎症性腸疾患
消化器疾患との関連が多く検討されてきた腸内細菌叢について、様々な臓器と深い関連があることが明らかにされつつあるが、具体的な治療介入とその有効性については不明な点が多かった。本研究を通じて、皮膚、精神科的疾患、薬剤不耐症など、多くの疾患に対して腸内細菌改変を目指した糞便微生物移植法が適応となる可能性が示された。今後の研究によってより適切な投与法の確立につながることが期待される。