研究課題
若手研究(B)
頸動脈内膜剥離術を施行した4名の患者の頸動脈プラークを病理学的に検討した。新生血管はプラーク形成が軽度の部分と比較し、最もプラークが厚い部分に密に出現していた。リンパ管は、プラーク形成が軽度の部分と強い部分とで、ほぼ同数であった。この傾向は、プラーク全体で評価するよりもプラークの立ち上がり部分でより顕著であった。また、M1型マクロファージはプラークが軽度の部分よりプラークが厚い部分で多く発現していていたが、M2型マクロファージはそれぞれのプラークで同等であった。
脳神経内科
この研究で得られた知見を論文として作成し、現在投稿準備中である。これまで頸動脈プラークのリンパ管形成について検討した研究は少ない。頸動脈プラークの増大には新生血管とリンパ管のアンバランスが関わっている可能性が示唆された。つまり、動脈硬化増大因子を運ぶ新生血管が急激に増加することに、それらの因子を排出するリンパ管形成が追いつかず、プラークが増大、進展する可能性が示唆された。今後の頸動脈動脈硬化進展の治療ターゲットとして、リンパ管を増加させることも検討される。