本研究では、 遺伝性、および薬剤誘導性のSLEモデルマウスを解析することにより、いずれのマウスにおいても経時的に自己抗体価の上昇や、腎糸球体へのイムノグロブリン沈着が起こること、病態早期において、免疫細胞内への脂質蓄積が増加することを見出した。このとき、血中や肝臓における脂質代謝には変化が認められなかったことから、SLEの発症や進展の過程における免疫細胞の脂質蓄積は、全身の脂質代謝とは独立して制御されることが明らかになった。また、全身の脂質代謝を改善する薬剤の投与により、SLE病態の一部が改善したことから、早期の脂質代謝の改善がSLE治療標的となる可能性が示唆された。
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