研究課題/領域番号 |
17K16189
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
糸永 英弘 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (70530442)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 治療関連白血病 / 急性白血病 / 骨髄異形成症候群 / 急性骨髄性白血病 / 染色体異常 / 遺伝子異常 |
研究成果の概要 |
本研究の目標は、悪性腫瘍に対する化学療法や放射線治療後に治療関連白血病(急性白血病または骨髄異形成症候群)を発症した症例において、白血病発症前の染色体・遺伝子異常の推移を明らかにすることである。最も重要な知見として、染色体・遺伝子異常が血液細胞に生じた後に、異常を有する血液細胞の割合が年単位で増加傾向となり、骨髄異形成症候群の発症に至ることを見出した。一方で、染色体・遺伝子異常の発症から週単位の経過で急性白血病の発症を認めた。このように、治療関連白血病は病型によって発症前の染色体・遺伝子異常の推移が異なることが明らかとなった。本研究は2本の論文で発表し、さらに2本の論文投稿を準備している。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、治療関連白血病の発症前の染色体・遺伝子異常の臨床経過と病型(急性白血病と骨髄異形成症候群)の関連性を見出したことである。特に染色体・遺伝子異常の出現が血液検査異常に先行する症例の存在を明らかにしたことは、治療関連白血病の発症機序を解明する上で大きな意義をもつ。本研究の社会的意義として、化学療法や放射線治療を受けた症例において、染色体・遺伝子異常を認めた後に定期的な検査を行って経過を観察する必要性を見出したことである。つまり、本研究の知見は、悪性腫瘍患者における診療の向上に貢献することが期待される。
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