ZTTK症候群は21番染色体に局在する遺伝子SONの変異により生じる知的障害であり、これまでに国内外で31例の患者が報告されている。患者とその両親を対象とした遺伝子配列解析の結果SONの遺伝子変異型は明らかになりつつある。しかし遺伝子変異から知的障害発症に至るメカニズムは不明のままであり、正常な脳形成でのSON蛋白質の役割は研究されていなかった。 本研究では胎生期、生後発達期のマウス脳を対象として脳形成でのSONの役割を解析した。その結果、SON蛋白質の量を人為的に抑えると、(正常な脳形成にとって重要な)神経細胞移動や神経細胞結合部(シナプス)の形成が障害されることが明らかになった。
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