研究課題/領域番号 |
17K16410
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
福嶋 翔 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (00727000)
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研究協力者 |
上野 雄文 肥前精神医療センター, 臨床研究部, 部長
久我 弘典 肥前精神医療センター, 非常勤研究医
織部 直弥 肥前精神医療センター, 常勤医師
杠 岳文 肥前精神医療センター, 病院長
武藤 岳夫 肥前精神医療センター, 常勤医師
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脳機能画像研究 / 渇望 / 視覚刺激課題 |
研究成果の概要 |
「飲酒している画像をアルコール使用障害(以下、AUD)患者が見たら、飲みたい気持ちが強まるのでは」と考え、これを検証するために、特殊なMRIを用いてAUD患者を健常者と比較した脳画像研究を行った。具体的には、飲み物の画像をいくつか呈示し、その時の脳の反応を調べた。解析すると一部の脳において反応を認めた。その反応の値を2群で比較したところ、AUD群は、“ジュースを飲んでいる画像”に対して脳の一部において反応が低かった。また、AUD群は、“飲酒している画像”に対して脳の一部において反応が高かった。 今回の研究を通じて、AUD患者は健常者と比較して、アルコール飲料へ過剰反応する可能性を考えた。
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自由記述の分野 |
アルコール使用障害
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、本邦において初めてAUDに関する脳機能画像研究を行ったが、脳機能異常を改めて認めるなど学術的意義は大きい。今後はAUD患者の重症度を評価可能となるバイオマーカーの確立を目指すために研究のさらなる発展が見込まれる。 また社会的にも、AUDは一般的に断酒率が低く、治療(断酒継続)が困難である。2013年にアルコール健康障害対策基本法が施行されるなど、今後ますますの対策が望まれている。その一方で「意志が弱い人がなる病気」や「意志が弱いからやめられない」など疾患に対する偏見や誤った考え方は根強い。申請者らの研究を社会に還元することで精神疾患であり適切な治療が必要であることが広まることが考えられる。
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