研究課題
若手研究(B)
前立腺癌にはホルモン療法が有効であるが、経過によりその有効性が失われ去勢抵抗性前立腺癌となる。去勢抵抗性前立腺癌は一般に放射線治療に用いられるX線に対しても抵抗性となることが示唆されている。ホルモン感受性の細胞株と、そこから作成した去勢抵抗性の細胞モデルを用い、重粒子線では去勢抵抗性の細胞でもホルモン感受性の細胞と効果に差がないことを示した。また、DNAの解析でその原因遺伝子を明らかにし、RNAの網羅的解析によりX線抵抗性の原因となりうる分子機構の候補を見出した。
放射線腫瘍学
日本における前立腺癌の罹患率は増加しており、ホルモン療法への感受性が失われた去勢抵抗性前立腺癌ではX線治療にも抵抗性となるために有効な治療法が確立しておらず、医学的、社会的な課題となっている。今回の研究では、去勢抵抗性前立腺癌での重粒子線治療の有効性について基礎的な結果を示し、また、その原因となるメカニズムの候補を示したことにより、去勢抵抗性前立腺癌の放射線治療抵抗性の克服につながり、今後の治療法確立の一助となることが期待される。